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【医師が解説】ストレスが与えるニキビへの影響

みなさんは、ストレスでニキビができたり、元からあるニキビが悪化したりするというこ経験が一度はあると思います。

『皮脳同根』(ひのうどうこん)という言葉をご存知ですか?これは皮膚(肌)と脳は同じ根を持つという意味ですが、美容や健康、ストレスからくる肌や身体の状態にとても密接なお話なのです。

 

 

私たち人間はたった1つの受精卵から分裂を繰り返し人間として生まれて来ます。

受精卵が分裂を始めた初期段階で「内胚葉」「中胚葉」「外胚葉」と呼ばれる三つの層に分かれます。
わかりやすく例えるなら卵の『黄身』=内胚葉・『白身』=中胚葉・『殻』=外胚葉です。

内胚葉: 主に内臓になる

中胚葉: 骨や筋肉になる

外胚葉: 主に表皮(皮膚の一番外側)が、脳神経組織になる

 

つまり皮膚と神経は同じ根源である『外胚葉』の部分が分裂し形成された組織ですから、人間になる1番最初の段階で脳と皮膚は同じ発生起源となります。

 

ストレスなどで脳に受けた刺激が肌に影響して、肌荒れなどに出ている…と言われている理由もわかりますね。

 

『肌は心の鏡』『皮膚は第2の脳』、スキンタッチの重要性ともいわれますが、赤ちゃんへのスキンシップは脳の発達への影響に関係してくると言われます。

脳で受けたストレスや心配、不安、怒り、喜び、悲しみは神経を通じ肌へ影響していくのです。
ニキビは思春期に多いと思われていますが、最近は成人のニキビも増えてきています。

 

今回は、ストレスが与えるニキビへの影響について、お伝えしようと思います。

成人のニキビが心に与える影響

 

ニキビができると、鏡を見る回数が見えたり、うっかり触ってしまったり、指で押しつぶしてしまったり、していませんか?

 

実は、ニキビがあることで、否定的な自分に対するイメージを持ったり、自信がなくなったり、恥ずかしいという思いが出てきたり、気分的に落ち込んでしまったり、不安が出てきてしまったり、そのために社会的引きこもりになってしまったり、社会的行動ができなくなってしまうなど、マイナスの影響を多く与えてしまうのです。

 

これは、しっかりとした調査の結果から出てきた事実です。そして、心にマイナスの影響を与えるものは、「ストレス」と呼ばれます。

 

成人のニキビを悪化させる要因

 

では、どんな人がニキビになって、悪化していってしまうのでしょうか。

それに大きく関わるのが、「ストレス」「性差」「生活習慣」なのです。

 

ニキビができるのは8割が女性だという調査結果が出ています。

また、そのうちの1/4に慢性的なストレスを抱えている人がいました。

 

先ほどは、ニキビができたことで心に「ストレス」がかかる、ということを書きました。そうなると、ニキビができたことにより心にストレスを抱え、そのストレスのためにさらにニキビが発生していく、という悪循環が起きてしまいます。

 

まとめ

 

今回は、この2点についてお話ししました。要点をまとめると、

 

ニキビができることは、非常に否定的な影響を心に及ぼしてストレスとなる。

ストレスはニキビができる原因にもなり得るので、ニキビができたストレスがまた新しいニキビを作ってしまう原因ともなりうる。

 

ということは、「ストレスの解消」がキーワードになりそうですね。

 

普段から身体をゆっくりと休めたり、映画鑑賞や運動など自分が気分転換できる事を見つけて

ストレスを溜めず「ニキビの治療」をして、ニキビのない肌になるとそれだけで、失っていた自信や、明るい気持ちが戻ってきます。

 

ニキビがなくなることで、自信が持てて、社会的活動ができる、そして楽しく過ごす、といういい循環に持っていくわけです。

 

ニキビの治療は一朝一夕ではありませんが、必ず治る日は来るので、それまで頑張っていきましょう。

 

 

 

監修医師紹介

岡田夕子先生

2005年国立大学医学部を卒業。
精神科医。精神保健指定医・日本精神神経学会専門医・指導医。
現在は大阪府にある医療法人光愛会光愛病院に勤務。